こんにちは、かこママです。
知るぽると(金融広報中央委員会)の広報誌「くらし塾 きんゆう塾(vol.55 2021年冬号)」に掲載されていた、「キャッシュレス時代における家庭の金銭教育~キーワードは「親子で学ぶ」~」という記事を読みました。

おこづかいは現金で渡すのが一般的だと思いますが、政府もキャシュレス決済を推進する中、はたしておこづかいは現金で渡すだけで良いのか気になるところです。
この記事ではおこづかいのキャシュレス化について考えたいと思います。
キャシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、お札や小銭などの現金を使用せずにお金を払うことです。
キャッシュレス決済手段には、クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド)、
スマートフォン決済など、様々な手段があります。それぞれの特徴は下表のとおりです。
キャシュレス決済 | 特徴 |
---|---|
クレジットカード | キャッシュレス決済として最も普及しており、商品やサービスを受け取った後から支払い請求が来る、後払い式の決済手段。新しくカードを作るためには与信審査が必要です。 |
デビットカード | 商品やサービスの購入時に使用すると代金が銀行の口座から即時に引き落とされる、即時払い式の決済手段。新しくカードを作る際の与信審査は不要です |
電子マネー・ プリペイドカード | カードやスマートフォンに事前に金額をチャージをしておき、商品やサービスの購入時にチャージ額から支払う、前払い式の決済手段。新しくカードを作る際の与信審査は不要です。 |
スマートフォン決済 (QRコードなど) | スマートフォンにクレジットカード、電子マネー、銀行口座などを登録し支払う決済手段です。 |
クレジットカードやデビットカードの作成には年齢制限があるため、小学生・中学生が利用できるキャシュレス決済ツールとなると電子マネー・プリペイドカードが候補となります。通学でSuicaなどの交通系電子マネーを使用しているお子さんの場合には、交通系電子マネーが身近で利用しやすいので最適だと思います。
また、小学生や中学生のうちにそれぞれのキャシュレス決済手段の特徴について理解しておくことで、利用可能な年齢に達したときにスムーズに利用できるようになります。そのため、親自身がキャシュレス決済の特徴について十分理解し、子どもに教えることが大切です。
日本でのキャシュレス決済の現状
経済産業省が発表した「キャッシュレスの現状及び意義」によると、日本のキャッシュレス決済比率は24.1%(2018年)で、キャシュレス決済比率は年々増加しているのがわかります。また、2018年から2019年にかけてスマートフォン決済(QRコードなど)が日本に広く普及したことやコロナ禍で現金を避ける傾向になったことを考慮すると、2021年現在はさらにキャシュレス決済比率が増加しているのではないかと考えられます。
政府は、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を約4割まで引き上げ、将来的には8割にすることを目標として掲げていますので、今後ますますキャシュレス決済比率は増えていくでしょう。

(出典)経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」
一方、キャシュレス決済に抵抗を持つ人が一定数いることも事実だと思います。そのため、キャシュレス決済を普段から利用している家庭と利用していない家庭ではキャシュレス決済に対する知識の差は広がるばかりで、これは確実に子どもへ影響します。このような家庭では、キャシュレス決済の普及が進む今こそ親子で一緒に学ぶチャンスではないでしょうか。
キャシュレス決済のメリット
経済産業省が発表した「キャッシュレスの現状及び意義」によると、キャシュレス決済のメリットは下記の通りです。
おこづかいをキャシュレス化することの一番のメリットとしては、キャシュレス決済について理解を深めることができることだと思います。
その他に、キャッシュレス決済は使用履歴が分かるのでおこづかい帳をつけるのが苦手というお子さんには現金で渡すよりもおこづかいを管理しやすいという面があるかもしれません。
おこづかいのキャシュレス化について
記事の中でキャッシュレスを家庭で学ばせるまでの大まかなステップが記述されていましたので、紹介したいと思います。
①日常生活の中で、お金の流れやお金には限りがあることを教え、その価値を認識させる。
知るぽると(金融広報中央委員会)広報誌「くらし塾 きんゆう塾(vol.55 2021年冬号)」(キャッシュレス時代における家庭の金銭教育~キーワードは「親子で学ぶ」~)
②おこづかいやお使いで現金を使う体験をさせて、お金の管理の必要性を身に付けさせる。
③おこづかいとしてキャッシュレス決済を利用する。
まずは、お金の教育を通してお金の価値やお金の使い方等をしっかり教えることが重要だということです。そのため、お金の価値が分かり、管理の習慣がある程度身に付いていれば、キャッシュレス決済ツールを取り入れるのはお金の教育の一環としてとても有効だと思います。
貨幣の歴史を調べてみると貝殻や金属が使われていた時代があるので、お金自体は記号であり、単なるデータなのだから、貨幣自体に価値があるわけではありません。しかし、貨幣に価値があると考えている人は子どもだけでなく大人でも多いのではないでしょうか。そういう意味では、「お金が信用で成り立っている」ということを理解するにはキャシュレス決済はとても便利なツールだと思います。
おこづかいを「現金」で渡すのと「キャッシュレス」で渡す場合のメリットとデメリットを下表に示します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
現金 | 基本的にすべての店やサービスで使えるお金の価値を実感しやすい | 何に使ったか把握しにくい現金を持ち歩くことによる盗難や紛失のリスクがある |
キャッシュレス | 支払いが手軽で簡単使用履歴が分かり管理しやすい | 非対応の店やサービスがあるお金の価値を実感しにくい |
(キャッシュレス時代における家庭の金銭教育~キーワードは「親子で学ぶ」~)
おこづかいでキャシュレス決済を用いる最大の理由は、キャシュレス決済を体験し、キャシュレス決済の理解を深めることだと思います。
そのため、おこづかいの全てを「現金」または「キャッシュレス決済」にするのではなく、親子で話し合いながら「現金」と「キャッシュレス決済」を併用するのが良いのではないでしょうか。
お金の教育は、親の目が届く年齢のうちに行うほうが子どもが素直に話を聞いてくれるという側面があります。そのため、キャシュレス決済ツールに関しても子どもに使わせる機会を設け、正しい知識と使い方を身に付けさせるのが良いのではないでしょうか。
また、セキュリティ対策やリスクに関しても親子で話し合う中で、マネーリテラシーだけでなくITリテラシーも高めることができます。
まとめ
キャシュレス決済は今後さらに普及していくと考えられますので、お金の教育の一環としてキャシュレス決済について教えることは必須です。子どもにとって身近なお金といえば「おこづかい」になるので、おこづかいをキャシュレス化することは良い方法だと思います。ただ、キャシュレス決済はメリットだけでなくデメリットもあるので、キャシュレス決済の使い方について親子でしっかり話し合い家庭でルールを決めれば現金のみのおこづかいよりもお金の教育になるのではないでしょうか。
皆さんもおこづかいのキャシュレス化について検討してみてはどうでしょうか。
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